2021年の3月23日にスエズ運河でタンカー船が座礁しましたね。
今回はこの事件の詳細と相場の動きについてお話します。
そもそもスエズ運河ってどこ?
この記事を読んでくださっている方には「そもそもスエズってどこだ?」と思っているかもしれませんね。
アフリカ大陸と中東の真ん中にあります。
スエズ運河は1869年に開通し、アジアとヨーロッパ、アフリカと欧州の物流ルートですから、世界の物流にかなりの影響が出ると見られています。
何故、座礁したのか?
今回座礁した理由は「砂嵐による視界不良」だそう。
確かに地域から見ても砂嵐が起きそうです。
船のレーダーでは対応できなかったのでしょうか…?
あの有名な「タイタニック」も目の前の氷山に気付かなかったことで、沈没しました。
また、干ばつするような時期だと水位が変わったりして、それも座礁の原因になりそうですね。
スエズ運河は年間でどのくらいの船が通るの?
船が座礁して、物流が止まるというニュースはあまり聞きませんが、何年かに1回はあるそうです。
年間で18000隻の船が通り、その内訳は
コンテナ船が5375
タンカー船が5163
バルカー船が4200
ということです。
一部の会社では乾燥パスタやドライトマトなどを輸入していたようです。
「地中海から輸入した食品を扱う、こちらの会社では今、1つの大きな問題に直面しているといいます」(記者)
会社が扱っているのは生ハムとの相性が抜群の乾燥パスタ。スープに入れると味が引き立つドライトマトなどです。そんな会社が25日、情報収集に追われていました。
「弊社が輸入している食品が、入ってこないんじゃないかと心配しています」(地中海フーズ 山本 敦 常務)
TBSNEWSより引用
スエズ運河が座礁することで物流に影響はあるの?
実際に何を運んでいるのかというと、石油、天然ガス、穀物を運んでいます。
多くは中東から欧州に向かう船です。
物流の影響を懸念し、先物市場は一時的に値上がりを見せました。
24日の取引で原油先物が約6%上昇。世界の海上輸送の要衝であるエジプトのスエズ運河で大型コンテナ船が座礁し、他の船舶が通航できない状態となる中、原油輸送に影響するとの懸念が台頭している。
さらに、2月にテキサス州を襲った寒波の影響で操業を停止していた製油所の活動がほぼ回復しつつあることが米週間石油統計で示され、価格押し上げにつながった。
清算値は北海ブレント先物が3.62ドル(6%)高の1バレル=64.41ドル。米WTI先物は3.42ドル(5.9%)高の61.18ドル。両先物とも23日は約6%下落していた。ロイターより引用
しかしながら、3月25日現在は復旧の見通しはまだ立っていません。
その後は値下がりを見せ、多くの投資家は今後の影響を見極めようとしているのか、観察しているものと思われます。
スエズ運河座礁事件で賠償問題は起きるのか?
また、多くの船が立ち往生になっているので、物流も滞ります。
となれば、賠償問題にも発生しそうです。
保険会社やブローカーによると、船を所有する正栄汽船(愛媛県)と同社の保険会社はスエズ運河庁から座礁による収入面の損失を補償するよう請求される可能性があり、航路を妨害された他の船舶からも賠償を求められるかもしれない。
正栄汽船からコメントは得られていない。
保険業界筋によると、同規模のコンテナ船は船体と機械設備について1億─1億4000万ドルを補償する保険に入っている可能性が高いという。2人の関係筋は座礁船は日本で保険がかけられていると述べた。離礁作業の費用も船体と機械設備の保険でカバーされる。
同コンテナ船や航路を妨害された他の船舶に積載された荷物の所有者も、傷みやすい生鮮食品や配達期限が守れなかったものについて、損害賠償を請求する公算が大きい。
保険仲介サービス、マーシュの海運担当幹部、マーカス・ベイカー氏は「船の滞留が続けば、極めて大きなサプライチェーン(供給網)の問題が起きる」と指摘した。https://jp.reuters.com/article/egypt-suezcanal-ship-insurance-idJPKBN2BG3H1 より引用
現在でも100億円単位の賠償が請求される公算になっているとのこと。
現地でも対応に追われているようですが、できるだけ早く離礁できると良いですね。