5月6日の日大と関学のアメリカンフットボールの試合で
日大の宮川選手が関学のクォーターバックへ執拗なラフプレーを
行い、負傷させた事件は記憶に新しいところですね。
(※クォーターバックは以後QB)
この6日の練習試合でラフプレーを行った日大の
宮川泰介選手が5月22日に記者会見を行いました。
日大アメフト部・宮川選手の記者会見の内容は?

引用:はちま起稿
宮川選手が3度に渡るラフプレーを行った理由は、
日大アメフト部の内田正人元監督の指示であることを発表しています。
また、宮川選手自身、18日に関学の被害選手と
同両親、アメフト部の関係者に面会を行っており
直接謝罪したそうです。
では記者会見で宮川選手はどういった真実を
告白したのでしょうか?
内田元監督はどういう指示をしたのか?

引用:http://waranote.livedoor.biz/archives/53510787.html
試合の数日前に、宮川選手が出場するか否かの話で、
井上コーチは
「監督にお前をどうしたら試合に出せるか聞いたら、
『相手のクォーターバックを1プレー目で潰せば出してやる』
『クォーターバックを潰しに行くんで、僕を使ってください』と(内田監督に)言いに行け」
と宮川選手に言ったそうです。
「相手のクォーターバックと知り合いなのか。
関学との定期戦がなくなってもいいだろう。
相手のクォーターバックが怪我をして
秋の試合に出られなかったら、こっちの得だろう。
これは本当にやらなくてはいけないぞ」
また、先輩にも井上コーチから
宮川選手に対して念押しするように、
「どこでも良いから1プレーから(関学の)QBを潰せ」
と言うように言ったそうです。
それを先輩の口からも聞かされた宮川選手は
内田監督、井上コーチ、先輩の3人から言われて
「そういう気迫でやれ、というより、
本当に潰さないといけないという意味に受け取り
追いつめられて悩みました」
と発言しています。

引用:はちま起稿
試合当日の5月6日になって
試合メンバーの一覧に宮川選手の名前は無く、
井上コーチに確認すると
「前日言ったことを今、監督に言ってこい」と指示されたようです。
そこで宮川選手は、内田監督に
「関学のQBを潰しますので使ってください」と申し出ました。
内田監督はその時、宮川選手に
「やらなきゃ意味ないよ」
と念押しされたようです。
宮川選手は、井上コーチに監督と話したことを報告し、
「本当に(相手のQBを)潰すのか?」と確認する意味合いで
「リードをしないでQBに突っ込む」と確認しています。
井上コーチもその確認に対して
「思い切り行ってこい」と答えたようです。

引用:jets94.com
また井上コーチは更に、
「できません(潰せません)でした、じゃ済まされないぞ」
と更に念押ししていますから、宮川選手はこのときは
何も考えられないほど追いつめられていたということです。
宮川選手自身、3度にわたるラフプレーで、
相手のQB選手が怪我をして交代したことにも気づかなかった程。
3回目の殴打によるラフプレーで退場になりましたが
宮川選手はこれも普段の試合で
「相手が掴んできても大人しすぎる、やる気がない」として
メンバーから外されていましたので、
3度目のラフプレーは向かってきた選手を意識的に突いたそうです。
試合後の流れはどうだったのか?

引用:Twitter
試合終了後の宮川選手は、
テントに戻り、自分がしたことに悔み、泣いたそうですが
その場面を井上コーチが見ています。
また、事情を知る先輩は、宮川選手にその役割を
やらせてしまったことを申し訳なく思って、井上コーチに
「自分にもやらせてください」と申し出ました。
このことを、井上コーチは泣いていた宮川選手に
上級生は「自分にもやらせてくれ」と言っていた、
お前にそれが言えるのか?優しすぎるところがダメ
相手に悪いと思ったんだろう
と責め立てる結果になってしまいました。
この時点で先輩の考えと、コーチの考えが食い違う気がします…。
内田監督からも、メンバーに
「宮川のラフプレーは自分がやらせた、これで
こいつ(宮川選手)が成長してくれるならそれでいい
相手のことを考える必要は無い」
そして事件の2日後、5月8日に
宮川選手は監督に「もうフットボールはできない」と言います。
加害者もまた、被害者だったんですね…。
自分がやってしまったことを後悔して
5月6日の試合は一生忘れることが出来ないと思います。
でも監督は
「お前は退場になったことで罰を受けて、
お前の処罰は終わってるんだから良い。
世間は監督を叩きたいだけで、お前じゃない、気にするな」
と宮川選手に言ったそうです。

引用:brandnew-s.com
たしかに内田監督の立場から考えると
言い分はわからなくもないのですが、
言うべき言葉は別にあったように思います。
宮川選手は監督に
「お前にそういうプレイをさせて申し訳なかった」
と言って欲しかったのではないか…?と思います。
監督はその場を立ち去って、
井上コーチと鈴木コーチの3人で話をすることになり、
続いて宮川選手は退部を申し出ますが、
「(宮川選手は)辞める必要は無いし、向こうとの試合がなくなろうと別に良いだろう」
と話し、退部しようとしている宮川選手を引きとめています。
その後も宮川選手の父も交えて、
「相手方と家族に謝りに行きたい」と申し出ますが
監督からが「今はやめてほしい」と止められています。
また、その際に「監督の指示に従った」という事実を
公表したいとも言いますが「公表できない」と断っています。
宮川選手は最後に
「監督の指示だったとしても、自分自身がやらないという
判断ができずに、指示に従って反則行為をしたのは事実で
ずっと反省しており、真実を明らかにすることが償いだと考えて
記者会見を行った、また相手方や関学アメフト部や関係者に申し訳ない」
と締めています。
まとめ

引用:ailbainpro.com
僕も、今回の事件で内田監督や、コーチ、そして日大側が
記者会見を行うのは納得できます。
が、何故宮川選手が記者会見をすることになったのか?
については疑問符を打たざるを得ませんでした。
宮川選手はいちアメフト選手であり、大学生です。
本来強制されるわけでもなく、好きで始めたアメフトだと思いますが
今回のような大きな事件になり、宮川自身も心に傷を負う結果になってしまいました。
「じゃあ(指示した)内田監督が悪い」と言うのも簡単ですが、
勝つために必要な指示を内田監督が誤ったのであれば、
周囲で見ていたコーチが止めるべきなのでは?とも思います。
確かに選手を追いつめた監督の「指導」は許されるものではありませんが
監督は皆が付いてこなければ成り立ちません。

引用:はちま起稿
事実、監督一強にしてしまった環境から考えていかねば、
またこのような悲しい事件は起きてしまう気がします。
また、監督が宮川選手をここまでさせたのは
「単なるイジメ」ではなく、宮川選手に何かしらの才能を見出した可能性もあります。
でなければ、「成長してくれたらそれでいい」とは言わない気がします。
被害者の父親も同じ事を望んでいますが
「何故このようなことが起きたのか?」を日大が解明する姿勢を見せないと
今後日大アメフト部が存続することは難しいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。